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<<   作成日時 : 2018/09/13 01:51   >>

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2018(平成30)年09月13日 木曜日

国籍法について

自民党本部会国籍問題プロジェクトチームで座長だった河野太郎議員も、国籍法について、「この法律は正直者が馬鹿を見る制度になっている」と語っている。

それではなぜ、日本では二重国籍を認めていないのに、蓮舫さんのような国会議員でさえ多重国籍者が生れてしまうのか。日本の国籍法や二重国籍問題について、日本人が知っておきべきことを6つにまとめてみた。

国籍法に関して、日本は世界のなかでどんな立場をとっているのか。国籍法の今後の在り方はどんなものか。これを読んだ読者の方が考えるきっかけになってくれたら幸いだ。

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●1国籍取得方式は2種類ある

まず基本的なことだが、ある国の国籍を取得するのには大きくわけて2つある。

▲血統主義…国籍取得において、親のどちらかの国籍が子の国籍となる方式。日本、ドイツ、イタリア、中国、韓国などがこれに当てはまる

▲出生地主義…国籍取得において出生した国の国籍が付与されるという方式。アメリカ、カナダ、フランス、ブラジルなどがこれに当てはまる

これだけ聞くと、血筋か土地か?という分類に感じられるだろうが、実際はより複雑だ。例えば、血統主義のドイツでは両親または片親が8年以上ドイツに合法滞在している場合、ドイツで産まれた子どもは出生によりドイツ国籍を取得できるとしている。

また、出生地主義のフランスでは親のどちらかがフランス国籍なら子どもも自動的にフランス国籍となるとしているものの、外国籍同士の結婚で子の出生地がフランスの場合、子どものフランス国籍申請には継続的または通算で最低5年以上フランスに住んでいることが条件とされている。

どちらの主義が良い悪いというわけでなく、どちらを選択した場合でもある程度制限させる制度や線引きが必要なのだ。「日本国籍を際限なく与える」のではなく、国際結婚の子や多国籍のバッググラウンドをもつ子供などを「日本人じゃない」と差別することなく、いい塩梅で線引きすること=制度改革が必要なのではないかとされている。

●2機能していない国籍選択制度

日本の国籍法で最も批判されているのは、国籍法14-15-16条で記されている「国籍選択制度」である。これは今回の蓮舫さんの問題にもつながっている。

現在、日本の国籍法14条には「外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有すること となつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない」と記されてある。

このようにして日本では重国籍を禁止しているのだが、実際にはほとんどの重国籍者は国籍選択をしていない。

これを議題にした国会答弁がある。法務省が2008年に行ったサンプル調査から割り出した推定では、22歳に達するまでに国籍選択をした人の割合は約1割。さらに、この期限までに国籍選択をしていないものに対して、法務大臣から催告が出された例は1件もないそうだ。

ここらへんが、河野太郎議員の言うところの「正直者が馬鹿を見る国籍法」なわけである。

国籍選択制度自体が形骸化しているのではないかと指摘されているのはこのためだ。こんな機能していない制度を設けている意味はないのではないか。機能しないなら削除すべきだという意見があるのもうなずけるだろう。

●3日本人がいる海外居住国の93%は重国籍を認めている

先進国では多重国籍が緩和されるなかで、「我が国に定住したいのなら我が国の国籍を取得しなさい」というのが世界の傾向である。そんななか、現行の日本国籍法では、海外在住者がますます身動きが取れなくなるのではないかという指摘もある。
外務省領事局政策課が発表している「海外在留邦人数調査統計平成26年版」によると、海外在住邦人の総数は129万人。この数字は大きくわけて「長期在住者」と「永住者」に分けられるのだが、そのうち永住者は34%で約43万6千人である。そして、その永住者の9割は北米、南米、大洋区、西ヨーロッパに在住している者だ。

要するに、日本国籍で海外永住している者の90%以上が重国籍容認国に滞在しているという計算になる。となると、移住国での仕事関係の人は簡単に「この国の国籍をとったら?」という話になるのだが、日本は二重国籍を認めていないので、多くの人が不便な状況で断念しているというのが現実だ。そういう意味で、現行の国籍法は海外で活躍する日本人の足を引っ張っているともいえるのではないだろうか。事実、これが原因でキャリアを諦めてしまっている人もいる。

●4国籍法が改正されたのは30年以上前

1873年(明治6年)、外国人と結婚した日本人女性は日本国籍を失うという法律ができた。この法律はその後77年間変えられることなく続いた。

戦後、1950年(昭和25年)に公布された新憲法の国籍法では、日本人男性と外国人女性の間に生まれた子は日本国籍を取得できましたが、外国人男性と日本人女性の子には日本国籍の取得は出来ないというものだった。

1984年(昭和60年)に国籍法と戸籍法の一部が改正され、男女の区別なく外国人と日本人の間に生まれた子は日本国籍を取得できるようになったのだが、この改正から現在まで33年間この法律は改正されていない。

ここで問題にされるのは、世界経済のグローバル化は(法改正があった)1984年以降に起こっており、二重国籍を認めないとする現行の日本国籍法は時代遅れになっているのではないかという点である。

実際に、G8のなかで重国籍を認めていない先進国は日本だけである。もちろんヨーロッパと島国の日本では抱える事情が異なるし、何でも欧米に習えというわけでもないが、上の世界地図が示すように現在も多重国籍を認めていない先進国というのは、日本以外にはほぼない状態に近い。

さらに着目すべきは、これまで日本よりも同質性が高く、ナショナリズムが強かったお隣の韓国でさえ、2011年、限定的に重国籍を認める改正国籍法を公布している。出生時に重国籍となった場合や、配偶者が韓国人である外国人が韓国籍に帰化した場合などに対象者を限定した上で、外国籍を放棄しなくても韓国籍を保有できるようにしたものである。これは国籍唯一の原則が国際競争力を高める上で不利益になるという考えの元らしい。

韓国も日本同様、少子高齢化に悩む国の一つである。1997年からの10年間で韓国籍を離脱した人の数は17万人。韓国籍に帰化した人は5万人なので、差し引きで12万人が韓国外へ流出したという計算になる。さらに韓国国外で暮らす韓国系の人は700万人と言われており、この人たちを「よそ者」と排除するより積極的に呼び込んだほうが国家戦略的に有益だと判断したらしい。

日本も韓国を習えというつもりはないが、この点に関しては韓国の戦略のほうが一歩先を行っていると言わざるを得ない。経済がグローバル化し、訪日外国人がますます増えている現代、「日本人の血統で、かつ日本で生まれ育ち、日本に住んでいる人だけが日本人」と限定してしまうのは無理があるように思う。少子高齢化に伴う人口減少が進む日本が、これからも先進国としての地位を保っていきたいのであれば、日本国内の経済成長だけで生き残っていくのはいつか限界が来る。そうなると、やはりこれまでの「純日本人主義思想」を変えていかなければならないのではないだろうか。

●5日本国籍者=日本に忠誠ではない

日本人の多重国籍反対派の意見を聞いてみると、「多重国籍を認めると日本に対する忠誠心が失われるのではないか」と懸念する人の声がある。これを聞くたび、筆者は戦中の「日本国のために死ねるか?」と問われた君主の時代のような、時代遅れも甚だしい印象を受けるのだが、「日本国籍を選んだ人は日本に忠誠」だと信じてしまうのはやはり危険だと思う。

例えば、知り合いの在仏30年以上になる女性は、日本人男性との間に一人目の息子がいる状態で離婚し、フランスへ移住してきた。その息子は幼いころからずっとフランスで育ち、現在もフランスで仕事をしているのだが、22歳の時に国籍で「日本」を選択したのだ。これは個人の自由だし、他人が口を出すことではないのかもしれないが、日本の教育も受けておらず、これまで一度も日本で暮らしたこともない彼が「日本国籍」を選択したという理由だけで、日本での選挙に投票できるというのは何とも妙な気がしてしまう。日本の国籍を取得することが、果たして本当に日本に忠誠を誓っていることになるのか、非常に疑問である。

また、多重国籍を認めるかという議論になると、「国籍を認めれば選挙権も与えることになる」というように”セットで”考えている人がいるが、海外在住者のなかには「国籍と選挙権は別に考えたほうが良い」という意見も多い。

確かに、おそらくこれから何十年もフランスで暮らすことになるだろう筆者も、例え日本とフランスの国籍の両方を取得できる時代がきたとしても、フランスの大統領選挙に投票したいかと聞かれれば、そうでもない。

今年5月には、ルペン対マクロンの仏大統領選があった。移民の立場から言えば「絶対にマクロンに大統領になってほしい!」と思ったが、この一移民の意向を果たして選挙に反映していいものか、多数の移民の意見をフランスの意見としていいものかと疑問に思った。(かといって、現在の生の「日本」をきちんと把握できている実感もないし、この先ずっと日本で暮らすつもりもないので、日本の選挙にも投票していない)

このへんの考え方は海外在住者でも大きく異なり、一括りにはできない。だから、日本国籍を選択した人→日本に忠誠心がある→日本の選挙権を与えてもいいという安易な構造にはならないのである。

●6国籍=アイデンティティでもない

日本国籍を持っている人が日本に忠誠心があるとは限らないと言ったが、これはアイデンティティの問題でも同じである。日本国内にいるとあまり気が付かないが、世界には国籍とアイデンティティが一致しない人がごまんといる。

例えば、筆者はブルーノマーズの音楽が好きなのだが、彼はハワイで生まれ育ちながら、父親はプエルトリコとウクライナとハンガリーに祖先をもつニューヨーカーで、母親はスペイン系フィリピン人だという。こうなるともう何がなんだか…。どこの国に一番愛着を持ち、アイデンティティがあるのかというのはわかりにくいのではないか。

日本人から生まれた宇多田ヒカルだって、自分を完全な日本人と思っていないとツイッターでつぶやいていたことがある。

要するに「海外で生まれ育った人」や、「国際結婚の間に生まれた子供」を一括りにはできないということだ。

筆者と同じように国際結婚して海外で暮らしている日本人女性のなかでも、一生懸命子どもに「日本人としての誇り」や、日本文化を継承していこうとする人もいれば、そうでもない人もいる。海外で生まれ育った子供や国際結婚の子供が「日本好きになるか?」というのは親の考え方や教育、環境、そしてなんといっても本人の性格によるところが大きい。
同じ両親に育てられたハーフの子でも、兄弟のなかで「日本への愛着度合い」には違いがあるし、親が子に「日本」を教育していったところで、子どもが日本好きになってくれるとは限らないからだ。


最後に

一連の日本の「多重国籍問題」について考えてみると、これは「日本人とそうじゃない人」の2つに分けようとする発想自体に問題があるような気がする。

両親が日本人であっても外国で育てられて「日本嫌い」になる人もいれば、両親のどちらかが外国籍のハーフであっても日本人以上に日本人だと自覚している人もいる。そうすると、「日本と外国のどちらかを捨てるなんてできない」という意見があるのも至極当然だと思う。

結局のところ、国籍というのは親の国籍や出生地などで単純に線引きはできないし、だからこそどちらにも可能性を残すという意味で多重国籍を認めるべきではないだろうか。

また、海外在住者は海外に住んでいるというだけで、たびたび日本在住日本人に「よそ者」扱いされるが、離れているからこそ日本への思いが強くなっている人も多い。日本から出たからといって日本を嫌いになったわけではないし、日本で暮らしている日本人以上に日本文化を重んじている人もたくさんいる。

このへんの微妙なニュアンスを国籍法が拾ってくれるように法改正することが必要だ。これまでの「海外に足を突っ込んだ人はよそ者」として払いのけるのではなく、むしろ国際競争力のための国家財産として迎え入れたほうが、今後の日本の未来には有益なのではないかと思う。


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